ゆっくり育て!稲垣栄洋著「生き物が大人になるまで」に学ぶ親の役割
2023.11.02更新
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- すぐに子どものやっていることに口を出してしまう
- 他のお母さん・お父さんはうまくやっているようにみえる
- 自分の子育てに自信がない
子育てしていると、頭ではわかっていてもうまくいかないこと、普通にありますよね。普段はできていることも、自分の体調ひとつでできない日もある。子育て本を読んでも、実践するにはハードル高く感じる。ちょっとへこんでしまう……
今回の記事は、ヒトの子どもを「哺乳動物の子どもの生存戦略として考える」という視点を取り入れると面白いよ、という内容になっています。ちょっと肩の力を抜いて読んでもらえるとうれしいです。
ヒトの戦略は「ゆっくり育つ」!
この記事は、稲垣栄洋著「生き物が大人になるまで」をもとにしています。
生き物の戦略
多くの生き物の戦略
多くの生き物は生きる技術のすべてが本能に組み込まれています。
どういうことかというと、
「子育てを必要としない」ということです。
例えば昆虫は、親から何も教わらなくても生きていくことができます。
- カマキリの赤ちゃんは鎌を振り上げて小さな虫を捕える
- ミツバチは巣を作り花の蜜を集めて女王バチの世話をする
本能によって生きるための行動をとることができるのです。
哺乳動物の戦略
ヒトなどの哺乳動物とその他多くの生き物との間には、生存戦略上大きな違いがあります。
それに比べて、哺乳動物はどうでしょう?
もちろん哺乳動物の他にも、子育てをする生き物はいます。例えばクモの中にも子育てをするものがいます。
ただ、ここではヒトに近い哺乳動物に絞っていきたいと思います。
哺乳動物は生きるために必要な「最低限の技術」さえも、親から教わらなくてはなりません。
つまり「子育て」が必要ということです。
さらに「子育て」自体も本能にプログラムされていません。
だから、親から教わりながらも、同時に親になってからの振る舞いを学びます。
例えば、
チーターは狩りの練習
カワウソは泳ぎの練習
ゴリラはオスゴリラから群れのルールを身につける
など。
ヒトの戦略は?
哺乳動物としてのヒトの戦略は何でしょうか?
結論から言うとヒトの戦略は
「ゆっくり育つ」
なぜなら
- 生きるための技術が本能にプログラムされていない
- 他の動物に比べて大きさも持っている武器も貧弱
そこで人間は知能という武器を磨いたのです。
その知識を磨くために、必要なことを遊びの中で学びます。
だから、早く大人になってはいけないのです。
親の役割は
- 子どもを守る
- 安全な環境で経験を積ませる
親の保護のもと、経験を積み重ねて知能を高めていくことが必要です。
経験は、楽しいものでなくてもいいのです。友達とけんかして悔しい思いをしたり、仲直りをしたり。
失敗したり、工夫して上手にできるようになったり。
いかに子どもを遊ばせるか
子どもが熱中するものをどんどんやらせる。
好きなことをたくさんやっていることは、精神の安定につながるといわれています。
そのためには、子どもの自由時間を確保する必要があります。
子どもの自由時間を確保する
子どもの自由時間というのは「大人に管理されない時間」のことです。
- 興味を持ったことには没頭させる
- 子供をちょっと背伸びさせる
- 自分で出来たという体験
それらが将来の精神的安定につながるのです。
子どもを「監視せず」見守る
なぜ子どもの見守りが大切なのか。
子どもの成長にとって、何かに熱中することそれ自体がとても大切なことだからです。
だから親は、安全を確保しつつ、心の余裕を持って見守ればいいのです。
他の子どもと比べて焦ったり、監視したりする必要はないのです。
もし、口出ししすぎてしまう、干渉しすぎてしまうと思うことがあったら、
深呼吸して「ヒトの子どもはゆっくり育つことが戦略なのだ」ということを思い出してほしいです。
まとめ
「遊ぶことは重要な生きる手段」
哺乳動物の子どもたちにとって、遊ぶことは生きることそのものなのです。
親の役割は
- 子どもを守る
- 安全な環境で経験を積ませる
この記事は稲垣栄洋著「生き物が大人になるまで「成長」をめぐる生物学」
をもとにしています。
生き物が大人になるまで 「成長」をめぐる生物学 [ 稲垣 栄洋 ] 価格:1,540円 |
植物の戦略についても書かれていて、とても興味深く楽しい本ですよ!
[生き物が大人になるまで]
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